2019/03/20
まもなく春の高校野球がはじまりますね。
そこで野球の投球動作やバレーボールのスパイク時によく使われる、肩関節の「ゼロポジション」について記載してみました。
◆ゼロポジション(Zero Position)とは
もともとは1961年にインドの整形外科医によって発見された腕を脱臼した際に患者の治療に用いた肢位のことです。
具体的には上腕骨と肩甲棘が一致したポジションで肩甲骨には後面に肩甲棘と呼ばれる出っ張り部分が存在します。
この棘と上腕骨は腕を挙げていくいくにつれて運動軸が一致するポジションがありそのポイントをゼロポジションと呼んでいます。
個人差はありますが約140度程度に挙上したところに存在する言われており、「両手を頭の後ろで組んで、そこから腕を動かさずに肘を伸ばした場所」にあります。
◆ゼロポジションとケガについて
ゼロポジションになると上腕骨に外旋や内旋といったストレスがない状態となり、肩の安定性が高まり、筋緊張のバランスが保たれた状態となっています。
こうした特性を使い肩関節の脱臼時にはゼロポジションで牽引すると整復がしやすいです。
よく投球動作で「肘が下がっている」と指摘されることがありますが、これはこのゼロポジションから肘が下がっているということを指し、この状態で投球を繰り返すと肘などに大きな負担がかかってしまうこともあります。
言い換えればこの肢位は野球の投球動作時に肩への負担が軽減されることにつながると言われています。